博士課程日記 #0

はじめまして、現在海外某国で社会科学系の博士課程に所属しています。意気揚々と日本を離れPhD留学した私ですが、色々悩むことも思うこともあり、このブログではその辺りを吐き出していきたいと思います。ネガティブなことも多くなるかと思いますが、一学生の観察記録としてお楽しみ頂ければ。

私のこと

観察対象の文脈が不明では何の話をしているか分からないかと思うので、私のことを簡単に書いておきたいと思います。

  • 年齢:20代後半(30歳までもう少し)
  • 学年:博士課程3年目
  • 研究:統計・データ分析するタイプ

何がこのブログ開設に掻き立てたか

一番の理由は、博士課程を続けることへのモチベーションが分からなくなってしまったことです。

私は日本で学部・修士を終え、それから海外大学の博士課程プログラムに留学してきました。修士の頃は、自分の単著修士論文だけでなく、他の教員との共著プロジェクト等にも取り組んで、ほとんどの時間を研究室で過ごす生活が留学までの3年ほど続きました。必死でした。

何とか論文がジャーナルに出たり前に進んではいましたが、この働き方では一生は続かないとは常々感じていました。偏頭痛や胃腸の不調が当たり前で、論文の追い込みの時期に一度ストレス等で四十肩にもなりました。しかし、やることは目の前に積まれ、それに向き合わずタスクが溜まっていることからもストレスを感じていたので、何とか目の前のことをこなしていました。

当時の研究テーマも必ずしもこれからも取り組みたいことなのかは分からないものでした。多くの先人達が「留学したら大体興味関心も研究テーマも変わるから」と言っていたのを真に受けていたので、ひとまず今の自分が興味あると感じたこと・現実的に取り組めることをテーマとして選び研究していました。

元々、博士留学をして、海外で揉まれて研究者としての力をつけたいと考えていたので、留学するためにも頑張らねばという気持ちでした。

留学すれば新たな環境でまた一からスタートできるはず。こんな労働集約的な研究生活も今のうちだけかもしれない。そう考えていました。正直、「今辞めても後悔しないかもな」とは思っていたのですが。

そんなこんなで2年前、博士課程への留学を開始しました。自分が行きたいと考えていたプログラムのひとつです。憧れていた研究者がいたり側から見ればそれなりにマッチの良いところに行くことになったと思っています。

博士課程に進学してから

1年目(+2年目)は授業が中心であり、指導教員も2年目まで決まらないスタイルのため、すぐにこちらでの研究を始めるわけでありません。元々うっすら興味関心の方向性はあったものの、せっかくだから色々見てから自分の研究の方向性を決めようと考えていました。

しかし、それは前向きな意味合いからだけではなく、自分の中でのモチベーションの変化も映し出していたからなのかもしれません。

博士課程1年目の途中から徐々に自分の中での興味関心などの内的動機が薄れていく・なくなっていくような感覚を得るようになってきました。

そうした感覚は2年目も続き、むしろ進行していきます。特定のフィールドの授業を履修している中でも、自分で何に興味があるのか分からなくなり、途方に暮れました。様々なことに薄らと「面白い」という感覚は得るのですが、どれもその程度で、「私はこれが研究したい!」と感じるものがないという状況です。

それとともに、博士課程で自分を踏ん張らせるのにより力が必要になってきてしまいました。慢性的に疲労感も感じ、いわゆるやる気が起きない状態になり、大学院に入ってから初めて「辞めたい」と感じるようになってきました。少なくともアカデミアに一生自分がいるイメージはできなくなりました。

ただ、必ずしも今勉強・研究している学問が嫌いになったわけではなかったため、周りにも話を聞いてもらったり、ネット上等で様々な人の経験・意見を見て、ひとまず今できることをしようと決め、何とかできることをやってきました。

そして、今

3年目が始まりましたが、私はまだ渦の中です。

疲労感も抜けず、いつからか分かりませんが昔に比べると頭も動かない感覚に陥ります。なぜこんなことしているんだろうと感じることもあります。

周りの同期が自分の研究アイデアや進捗を話している姿が眩しい。

指導教員はとてもencouragingでコミュニケーションもしやすく、これ以上ない人です。

そういった状況でもこうなってしまう人はいるんだなと自分を見て感じます。

何とか毎日研究室には来ますが、なかなか前には進みません。

ここまで来たら何とか博士号だけでも取りたいという気持ちはあります。周りにもにもそう言われます。

このブログではこうした日々の中でも何とか博士を取得するまでの道のりを綴りたいと思います。